1.今回紹介したい本
今回紹介したい本は「生産性-マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの-」です。
著者はマッキンゼー・アンド・カンパニーで採用マネージャーを務めていた伊賀泰代さんです。
新品価格 |
※Amazonのサイトに遷移します。
2.レビュー・感想
オススメ度
★★★★☆
オススメしたい人
生産性を向上したい人、そもそも生産性とは何かを知りたい人
感想
働き方改革の影響もあり、生産性を上げろ!とよく言われますが、生産性を上げるとはいったいどういうことなのか?その疑問に対して、一定の答えを出してくれるのが本書です。
コンサル業界(特に外資系)は短時間で高い成果を出すことが常に求められます。その中でも特に生産性が高いと言われているマッキンゼーの考え方をこの本で学ぶことが出来ます。
コンサルタントは勉強好きな人が多い印象ですが、勉強自体は成果ではないということを覚えておかなくてはいけません。あくまでもクライアントから評価されるのは、アウトプットだということを改めて認識しました。
3.管理人がメモした箇所を抜粋
序章:軽視される「生産性」
p28.頭では生産性の重要性を理解しているつもりでも、ビジネスの前線では往々にして質より量が優先され、生産性が犠牲にされています。
第1章:生産性向上のための四つのアプローチ
p30.生産性は「成果物」と、その成果物を獲得するために「投入された資源量」の比率として計算されます。「アウトプット」÷「インプット」といってもよいでしょう。
p43.生産性を上げる4つの方法
➀改善により、投入資源を小さくする
②革新により、投入資源を小さくする
③改善により、成果を大きくする
④革新により、成果を大きくする
第2章:ビジネスイノベーションに不可欠な生産性の意識
p50.働く人が疲弊するのは、付加価値の低い、「自分がこれをやることにどんな意味があるのか?」と疑問に思えるようなオペレーショナルな作業を延々と続けさせられるときです。そんな仕事はやめるなり機械化するなり、どんどん効率化する。
p57.思考というのは、制限が設けられるとそれをバネにして「今いるところとは異なる次元」に入っていくことができます。
第3章:量から質の評価へ
p73.多くの企業が利益率やROE(資本利益率)など率の数字を、経営指標として重視しています。企業の質=優良性は規模ではなく、高収益か、資本効率の高い企業かといった率によって判断されるようになったのです。
p78.仕事の生産性を上げ、目の前の仕事だけでなく今後の成長のための投資や新しいチャレンジもすべて労働時間内でやりきれるようになる、そうなることを目指す。そういう意識に変えていかないと、プロフェッショナルとしての成長には、常に個人生活の犠牲がセットでついてきてしまいます。
p83.スキルの評価は成果の評価ではありません。”お勉強”に励む社員がいくら増えても、必ずしもその努力が仕事の質や成果の高さに結びつくわけではありません。生産性が向上したかどうかを評価するのは、紛れもなく成果に対する評価です。
第4章:トップパフォーマーの潜在力を引き出す
p113.三十台前半までに海外企業との共同プロジェクトに参加した経験のある社員には、決断力、リーダーシップ、洞察力などの面において顕著な成長がみられたのです。
第5章:人材を諦めない組織へ
p123.選抜に漏れた層の生産性を上げるには、何が必要なのでしょう?実はここで最も必要とされているのは、「会社は、まだあなたたちに期待している」というメッセージを伝えることです。
第6章:管理職の使命はチームの生産性向上
p132.管理職の仕事とは、「チームの生産性向上のためにリーダーシップを発揮すること」に尽きます。
第7章:業務の生産性向上に直結する研修
p161.社員の在籍期間が短い外資系企業では、研修には参加直後から業務の生産性を上げるという即効性が求められます。そのため、講義形式の研修が少なく、ロールプレイング形式の研修が顕著に多いのです。
第8章:マッキンゼー流 資料の作り方
p186.資料作成の方法について、最も重要なことは「仕事に取り掛かる前にアウトプットイメージをもつ」ということです。
p190.コンサルティングファームでは、通常、上司や顧客から資料作成を依頼されたスタッフは、まずブランク資料を作り、それを上司や顧客に見せてアウトプットイメージを共有してから情報収集や分析にとりかかります。
第9章:マッキンゼー流 会議の進め方
p209.会議の達成目標を具体的に明記するだけでも、会議の生産性は大幅に上がります。ちなみに、大半の会議の達成目標は次の5つのどれかです。
➀決断すること
②洗い出しすること(リストを作ること)
③情報共有すること
④合意すること
⑤段取りや役割分担など、ネクストステップを決めること
p210.会議の中で最も生産性が低いのは、資料を用意した人がその資料を説明するのに使う時間です。
終章:マクロな視点から
p239.「働き方改革」の最大の目的は「生産性を上げること」です。